きっととんでもないことが起きていたのだろうなと思う。
動的な表現の数々は紙の中に記録され、その余韻は祭りのあとのようにひっそりと箱の中に収まっている。

夏休みが過ぎて人のいなくなった海水浴場を思い出した。
海岸で漂流物を拾い上げるように箱の中身をひとつひとつ手のひらで確かめる。
珊瑚のかけらを耳にあててみたがさすがに波音は聞こえなかった。
それでも海がすぐそばにある感覚だけは確かに残るのだった。

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umimatou / mirocomachiko

tento / 2022

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