![[WALLFLOWER CATALOGUE] FILE 012. “Strawberry Guy - Sun Outside My Window“](http://rovakk.com/cdn/shop/articles/12_3.jpg?v=1726883652&width=2000)
[WALLFLOWER CATALOGUE] FILE 012. “Strawberry Guy - Sun Outside My Window“
いちご野郎に首ったけ!
このジャケットから想像する音楽はどのようなものでしょう。
穏やかに揺れる初秋の光、草原をやわらかに揺らす風、うつろう空を映した音?
光と影をたゆたう憂いあるメロディ?
そんな想像をして聴いていただいても、まったく裏切らない繊細さと流麗さに驚くと思います。
Strawberry Guyは、リヴァプール在住のSSW/鍵盤奏者であるAlex Stephensのソロプロジェクト。
内省的で美しい'60年代頃の英国のシンガーソングライターを彷彿とさせる音楽です。
彼の1stアルバム「Sun Outside My Window」のカバーには、モネの Meadow at Giverny(ジヴェルニーの草原)が用いられています。
名画のレコードジャケットをお部屋に飾れるなんて素敵! しかも布目エンボス加工の紙に印刷していて、キャンバスに描いた油絵の質感も感じさせるこだわりようにグッときます。
モネが絵筆で表現したお庭の色彩感をポップミュージックで表現したのがStrawberry Guy。同じように彼が影響を受けたというドビュッシーやラヴェルに通じる甘美でせつない旋律に、心はいつしか夢のなかへ…
ただ、この彼、かなりクセ者だと思うのです。
歌詞カードを兼ねたインナースリーブには、緑のなかに腰かけたクラシックの大作曲家のような風貌の青年(しかも半ズボン)。
この青年がAlexなのですが、付属の大判ポスターにも同じ写真が引き伸ばされて使われています。アイドルでもなんでもないのに、なぜかついてくるAlexのポスター。そして表題曲「Sun Outside My Window」のMVでは、さまざまなパターンで展開されるAlexのズームイン/ズームアウト。
なんだかちょっと様子がおかしい。
音楽もジャケットも美しいだけに、どこかヘンテコな要素があると、天然なのか、変人なのか? まんまと気になってしまうのです。(ついチェックしてしまったInstagramアカウントにもレトロな彼の写真がいっぱい!)
これは、恋のはじまりに似せたデザインなのかも。
いつか関わるアーティストの作品で、私も「気になる!」をデザインしてみたいです。
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文・写真 / 荒澤文香 fumika arasawa
デザイナー
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