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[Somewhere in Her Room]7月
☀️☀️☀️
”7月“
透きとおる青い空と真新しい入道雲。
熱を帯びた生ぬるい風につたう汗。
それは夏の日の瑞々しい感覚を呼びさます。
いつか見た、いつか聞いた、でもまだ知らない懐かしい感じ。
夏の庭の思い出がある。
早朝にふと目が覚めると裏庭の草の中から虫の声だけがして、ほかの生き物たちはまだ眠っていた。
その静寂に触れて息をのんだ。
そんな庭を知らなかったから。
少し遅い朝、もうその面影はなく平凡ないつもの庭だった。
日差しのなかに青い草が揺れて、のんびりと過ぎていく夏の日だった。