![[WALLFLOWER CATALOGUE]FILE 001. Various Artists “Circles”](http://rovakk.com/cdn/shop/articles/01_1_copy_8fd28670-2ab7-45b2-b087-b06aac866813.jpg?v=1697627580&width=2500)
[WALLFLOWER CATALOGUE]FILE 001. Various Artists “Circles”
空想の世界でみな踊る、受け手に寄り添うワルツのジャケット。
音楽作品を手にするとき、CD棚に気持ちよく収まってくれる昔ながらのジュエルケースや紙ジャケも機能的で潔いと思うのだけど、オーダーメイドな手作り感や愛情を感じられる造りにより心惹かれてしまう。
"Circles"は、世界各国のアーティストが参加したワルツのコンピレーション。
古い絵本か紙芝居のようなジャケット、それも誰かに贈るためにプライベートで刷ったような愛らしい佇まいは、いつでも眺められるように本棚に飾っておきたくなる。
イラストやデザインは、FLAUレーベル作品も多く手がける三宅瑠人さんによるもの。
スリーヴから引き出し、物語の扉をひらくようにして紅い円盤がまわりだすと、ステップを踏んで踊りだすのは私の空想の世界。悲しみをメロディに変えて、熊と一晩踊り明かすワルツ。愛の波紋を広げる白鳥のワルツ。指先まで心をこめて身体言語を修得するワルツ。いつか踊る永遠の静けさのためのワルツ。三拍子で生きることができたなら私の人生も軽やかになるだろうか。
これは誰の足あと?
交わす目線の意味は?
一歩引いた謎かけがあると、受け手が自由になにかを感じられる。心に体験が刻まれる。そうして、その人にとっての特別な作品になる。
何かの物語性を帯びながらも、肝心なストーリーは手にした人の空想に委ねて。
どこか余白と遊びのあるデザインが素敵です。
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文・写真 / 荒澤文香 fumika arasawa
デザイナー
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