ドイツ人フォトグラファー、ヴォルフガング・ティルマンス（Wolfgang Tillmans）がコンコルドを撮影した作品集。
コンコルドは、1976年から2003年までエールフランスとブリティッシュ・エアウェイズによって旅客運用されていた唯一の超音速機。当時、通常7時間ほど要したニューヨーク／パリ・ロンドン間の航路を、その半分の3.5時間ほどで結ぶことができた。
本作品において、カメラはあくまでも一般人の日常生活における目線からコンコルドの姿を捉えている。鳥が翼を広げた姿を鋭角化させたようなその独特なフォルムは、60年代の人々が夢見た技術革新と近未来の姿を象徴しながら、風景に調和することのない不気味な異物感をも醸し出す。

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